録音スタジオの構成
おおまかには以下の4点によって構成される。
- コントロール・ルーム
- ミキシング・コンソールや各種録音機材を配置し、ミキサー(レコーディングエンジニア)がミキシング・コンソールなどの録音機材を操作して媒体に記録する行為を行う部屋。一般に下記のブースとは音響的に隔絶されるが、MIDI音源等を多用しマイクをほとんど利用しない制作手法が一般化して以降、コントロール・ルームのみでブースを持たないスタジオも多く見られるようになった。
- ブース
- 楽器演奏、歌唱等実際の演奏をおこなう空間である。楽器の響きを生かすために室内音響に配慮が必要とされる。全面の防音ガラス窓を通してコントロールルームから丸見えである事から“キンギョバチ”(金魚鉢)とも呼ばれる。
- マシーン・ルーム
- コントロール・ルーム内の静音化と空調を別扱いにさせるために、一般的にはミキシング・コンソール用の電源ユニットやコンピューター、そしてアナログ及びデジタルの各種録音機器を収納し稼働させる為の別室。コントロール・ルームの隣に設置するのが一般的。効率的なメンテナンスを行う上でもマシーン・ルームを設置するスタジオが多い。
- 共用部分
- 事務所、楽器保管庫、マスターテープ預かり場所、アーティスト・ロビー、キッチン、トイレなど付随する業務のための空間である。
録音スタジオの分類
分類に関してはいくつかの観点から見ることが出来る。使用目的、規模、所有者、対象とするマーケットなどに応じて規模と機材が決定され運用される。
使用目的による分類
- パッケージメディア(CD等)の音源を収録するための音楽録音スタジオ
- ここでは録音過程から最終的な整音過程まで必要とされるスタジオを列挙する。
- リズム録り用大型スタジオ
- ダビング用スタジオ
- ミックスダウン用スタジオ
- マスタリング用スタジオ
- オーサリング用スタジオ
- 放送/映画用などの音声を収録するための録音スタジオ
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- MAスタジオ
- ナレーション収録用スタジオ
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- アフレコ用スタジオ
- 効果音収録用スタジオ
- その他上記の複合、あるいはそれ以外の用途のスタジオ
規模による分類
様々な考え方があるが、一般にはレコーダーあるいはミキサー(音響調整卓、ミキシング・コンソール、オーディオ・ミキサー)の規模による分類とブースの広さによる分類、そしてスタジオ数での分類がある。アナログ及びデジタルのテープレコーダーが録音現場での主流に用いられていた時代では、テープレコーダーのグレードにより厳然としたクラス分けがなされていたがDAW/HDRが一般化した現在は定番と呼ばれる機種に収斂する傾向があり、レコーダーによるグレードの差異は縮まっている。
- 大規模スタジオ = スタジオ数が5つ以上でリズム専用、ダビング専用、ミックス専用が各々複数ずつの複合型スタジオ
- 中規模スタジオ = リズム録り、ダビング、ミックスの3種類用に3ハコ程度のスタジオ
- 小規模スタジオ = リズム録りからダビングとミキシングまでをこなす1ハコ程度のスタジオ
- プロジェクトスタジオ = DAWなどをメイン機器として大型ミキシング・コンソールは持たず、ブースが1ハコ程度のスタジオ
- プライベートスタジオ = 個人専用に個人の趣旨で作られた専用スタジオ、規模は大〜小まで様々
所有者、対象とするマーケットによる分類
歴史的にはメディア(レコード、放送、映画)制作会社が所有して自社の作品を自社のスタジオでまかなう事から始まったが、後に独立した貸しスタジオ(レンタルスタジオ)が発生する。更に企画段階でのプレゼンテーションの為のプリ・プロダクション作業やデモテープ録音などをミュージシャン/アーティストが事務所/自宅で行うためのプライベートスタジオが、機材の高性能低価格化により現実の物となり、現在はパーソナル・コンピューター内でソフトウェア音源による音楽制作が可能になったことから、自宅においてかなりの段階まで音楽制作が可能になった。